〜vol.1 三鷹市民驚愕!6/3の変!〜



 その日、三鷹市で一体何が起こったのか?(爆笑)
 96年6月3日、JR三鷹駅南口は異様な熱気につつまれていた。いかにも怪しげ
な人間達が、ある所では一、二人、ある所では十数人単位のグループで何かを待って
いるかのように、群がっていたのだ。側を通る三鷹市市民達も、何やら尋常では無い
雰囲気を感じてはいた。「もしかして、またアニメの下敷きとか配るんじゃない
かしら。それにしても今回は凄い人ねぇ」(笑)。昼を過ぎた頃、彼らの何人かが南口
からさらに100m位行った所で人だかりのある事に気がついた。
 「あそこだ!あっちで配ってるぞ!!」(笑)
 その声を聞くや、周囲にたむろしていた大勢の人間達が、一斉にスタートダッシュ
を切った。物凄い勢いで走り出すオタク集団達。かれらの目指す場所では、何やら
お祭りの縁日のように、三鷹市のおじさんおばさん達が何かの入っているビニール袋
を配っていた。そこへ猛ダッシュで押し寄せるオタク集団達。

「君は整理券持ってる?」
「持ってません」
「君は」
「持ってません」
 どうやら、当初は整理券を配布して一人一枚ずつ配ろうとしてたようなのだが、
あまりの人数が殺到した為に結局うやむやになってしまい、整理券は途中で紙屑同然
となり、終いには一人で3〜4袋持って行く輩も出始めた。
「ホラホラ、一人一つまでだよ。それ以上は没収だよ!」

 この紙袋こそ、悪名高い「三鷹市水道局の綾波レイ下敷き」の入っている紙袋
であった。ひとしずくの自然を大切に、という言葉と、川辺に立って振り向いている
浴衣姿の綾波レイの絵の書かれた下敷きである。この中には他にも石鹸や入浴剤、
いかにも同人臭い絵柄の、節水を呼び掛けたチラシなどが入っていた。
 既に前日よりパソコン通信では情報が出まわっており、都内から近県までのオタク
共が大挙して三鷹駅へやって来ていたのだ。三鷹市は前々から何度かこういう事を
やっていたが、今回の騒動は凄まじい物で、下敷きを配っていた大通りは飽和状態と
なり、商店街の人達もこの異常な騒ぎに何事か?と大勢顔を出して見ている始末。

 さて、地元住民を震え上がらせたオタク集団、それだけでは返らない人間達が
出てきた。夕方になっても一向に何人かのオタク共は帰ろうとしない。そう、彼らは
今回配られた下敷きと同じ絵柄の、今度はポスターを狙っていたのだ。これはネット
に流された情報では6/4に配る予定だったのだ。その為、彼らは徹夜の準備も
バッチリして来た(笑)。だが、これは結局、三鷹市側の配慮で、前日に整理券を彼ら
に配り、退散させた。三鷹市民が肝を冷やした一日であった。だが、騒ぎはこれで
おさまらなかった。
 次の日の朝、三鷹市水道部の人間が出勤すると、市役所の中に貼られていた
ポスターが盗まれていたのだ。当初、警報も鳴らさないとはプロの手口か?(笑)と
思わせたが、どうやら三鷹市役所所員を装い、朝早くに裏口から入って盗んで退散
したもののようだ。また、この日以降、三鷹市役所には「綾波レイの下敷き、
ポスターはまだありませんか」という質問の電話が殺到し、通常業務に支障を来す
までになってしまった。また、三鷹駅にも3日の時点で既にポスターが貼られていた
のだが、これはオタク集団の帰った午後には既に無くなっていたと言う。

 これが、三鷹市市役所の綾波レイ下敷き(ポスター)をめぐる、一連の騒ぎの
あらましである。実はこの前にも一種類の下敷きとポスターが配られていた
(制服姿の綾波?)のだが、この時にはあまり騒ぎにならなかったようだ。
 多分、情報があまり出まわらなかったのであろう。
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今後も充実した内容のページにしていくつもりでありますので、皆様の情報をお待ちしています。

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